English Page








月経に関連した障害

 月経は女性のシンボルです。太古の昔から月経があることは健康であり、子供を産み育てる機能を持っているとされていました。しかし月経には痛みや気分の異常などの症状を伴うことが多く、月経は嫌なもの、面倒なものと忌み嫌う習慣もありました。月経中は不潔なものとして様々な差別とも思われる対応がなされているところもありましたが、月経中の性交は性感染症の危険があり、かえって不潔なものとして避けられていたほうが女性の健康にとっては都合が良かったのかもしれません。

 正常の月経でも多くの女性には出血時には腹痛や頭痛などの痛みが見られ、苦痛を感じます。月経中は副交感神経が亢進しているため血圧が低下し倒れることがあります。女性が男性同様外に出て活動するにはその対応にも配慮が必要です。水泳やマラソン、体操などの激しい長時間にわたる競技や練習なども月経は厄介なものと考えられます。しかし女性の月経は避けられないものであり、その身体的精神的苦痛を緩和するには対策が必要です。

 一方月経には異常を伴う場合があります。月経が始まる前に落ち込みや腹部膨満感,浮腫などの不快症状をきたす月経前症候群は月経開始と同時に症状が消退しますのでしばしば放置されます。特に精神症状が強く現れる月経前不快気分症候群では毎月決まって 落ち込みやイライラなどの情緒不安定をきたし家庭では子供や夫に八つ当たりし、職場では人間関係の悪化などが見られます。 もし子供を虐待すれば離婚されたり、犯罪者として扱われてしまうかもしれません。 しかしどんなに激しい症状であっても月経が再来すれば症状は回復するので身体的にも社会的にも健康な女性として対応されがちです。その他器質的疾患を伴う有痛月経、過多月経などは子宮筋腫や子宮内膜症などが合併している場合があり、不妊症の原因にもなります。摂食障害では無月経になり、一方ストレスは月経以外の出血(機能性出血)をきたして過多月経になれば高度の貧血をきたす場合があります。月経関連症状にはその評価と正しい管理が必要です。